電源容量の計算方法|消費電力の2倍も必要なの?

PCに必要な電源容量を調べる方法は2つあります。

  • 電源容量計算を使う
  • グラフィックボードから調べる

また、電源容量は「消費電力の2倍が良い」とよく言われます。

この根拠についても解説します。

目次

電源容量計算を使う

ドスパラの電源容量計算を使うとカンタンです。

試しに、BTOパソコンと同じ最小構成でチェックしてみます。

最小構成
  • Core i7-13700F
  • RTX 4070
  • DDR4メモリ2枚
  • NVMe SSD 1台

この構成で計算すると620Wあれば良いと表示されます↓

すごく妥当な数字で、ドスパラの同じスペックなPC(XA7C-R47)も、少し余裕のある650W電源が搭載されています。

ここで注目して欲しいのは、「消費電力の2倍がオススメ電源容量」であることです。

この「2倍がオススメ」というのはドスパラだけでなく、他のショップやメディア等でも多く語られています。

さすがに消費電力ギリギリの容量はおすすめしません。

余裕があると安心ですけど、2倍は盛りすぎかな … と言うのが本音です。

なんで消費電力の2倍も必要なの?

電源には80PLUS BRONZE、SILVER、GOLD、PLATINUMなどの電力変換効率を表すグレードがあります。

スクロールできます
80PLUS
グレード
出力20%出力50%出力100%
BRONZE82%85%82%
SILVER85%88%85%
GOLD87%90%87%
PLATINUM90%92%89%
TITANIUM92%94%90%

上位グレードであるほど変換効率が良く、さらに出力50%の時がもっとも高効率なのが分かります。

つまり、消費電力の値が出力100%として、「電源容量を2倍にすれば出力50%のスイートスポットで動作する」という理論です。

しかし、よ〜く表を見ると微妙な差だと思いませんか?

出力50%と他の差は3%くらいしか変わりません。

微妙に変換効率が悪くなって、電気代がちょっとだけもったいないってレベル。

また、使用するパーツによって消費電力が微妙に違うことと、将来の拡張を考慮すると出力50%ピッタンコで動作させるのは不可能です。

電源の価格は850Wを超えるあたりから急に高くなり、実際のところ「2倍理論」を守らなくてもPCは普通に動作します。

容量計算を使って850W以上を推奨された場合、コスパ重視の人は1.5〜1.7倍くらいの容量でも十分。

BTOパソコンを買う人でストレージを2〜3台増やす程度なら、そもそも大容量タイプに交換する必要はないです。

グラフィックボードから電源容量を調べる

使用するグラフィックボードから電源容量を調べる方法もあります。

NVIDIA公式サイトや、グラフィックボードのメーカーサイトで公開されています。

GPUGPU
消費電力
推奨電源容量
RTX 4090450W850W
RTX 4080320W750W
RTX 4070Ti285W700W
RTX 4070200W650W
RTX 4060Ti160W550W
RTX 4060115W550W

グラボから推奨電源容量を計算する方がカンタンです。

迷ったら850Wを選べばRTX 4090まで使えることになります。

表の推奨電源容量はCPUにRyzen 9 5900Xを使ったシステムです。(2023年9月調査)

メモリ容量やストレージを何台つなげているのか非公開な項目がある点は注意。

ちなみに、ドスパラの電源容量計算を使ってRTX 4090の最小構成で計算すると、1236Wがオススメになります。

電力効率のスイートスポットに「こだわるなら1300W電源」が理想的

ただ、1300W電源って3万円以上もします。「ホントに必要なの?」って思う人はいるでしょう。

実際は消費電力の目安が618Wなので、NVIDIAの資料どおり850Wあれば問題ありません。

850Wでも心配なら100~200Wプラスする程度で十分です(1.6倍の1000WくらいでOK)。

ちなみに、ドスパラが販売しているRTX 4090モデルも1000W電源を採用しています。

【まとめ】迷ったらグラボから容量を決めよう

ドスパラ計算機のとおり2倍の容量を持てば安心です。

ただ、ほとんどの人にとって2倍理論は盛りすぎであることは意識してください。

「電源の価格が高いな〜」「ホントにこんな容量が必要なの?」と思ったらグラフィックボードから容量を決めるのがおすすめです。

まとめると、こうなります↓

  • 電源容量はグラフィックボードの推奨値を選ぶ
  • パーツをたくさん付ける人は100〜200W上乗せする

たとえば、グラボにRTX 4070Tiを使うとして、電源容量に迷ったら推奨容量(700W)より少し多めの850Wもあれば問題ありません。

以上、参考になれば幸いです。

【日記】消費電力が最大になる条件は?

ここからは私の日記です。

ふ〜んと読み飛ばしてください。

PCの消費電力を限界値まで上げる方法は、CPUとGPUを最大パワーで動かすことです。

ただし、一般的な使い方ではCPUとGPUの両方が最大パワーで稼働することは、まずありません。

タップして拡大
4K/ 最高画質
タップして拡大

ゲームだとGPUは最大パワーで動きますが、CPUはCore i7で25%、Core i5だと40%ほどしか稼働しないです。

動画のエンコードだとGPUが90%、CPUが30〜70%くらいの稼働率になります。

※Core i7-13700+RTX 4080、Premiere Pro 2023の場合

エンコードはCPUとGPUの組み合わせによって大きく稼働の割合が変わるけど、決してCPUとGPUの両方が100%で動くことは無いです。

最終手段として、OCCTといったストレスアプリで意地悪なテストをすれば、CPUとGPUの電力をMAXまで持って行けます。

ドスパラ計算機で算出された「2倍のおすすめ容量」な電源を使っていれば、問題なくテストをクリアできるはずです。

ですが、そんなことをするためにPCを買う人は極めて少ないでしょう。

一方で、NVIDIAの推奨容量は、ゲーム向けの「現実的な電源容量」だと思われます。

そんな理由でグラボから電源容量を決める方法をおすすめしています。

以上、皆さんもちょうど良い容量の電源をゲットして、ステキなPCライフを送ってください!

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おすすめゲーミングPC 早見表

更新:2023年12月5日

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価格GPUCPUメモリストレージメーカー
109800円Ryzen Z1
Extreme
16GB512GBASUS
118085円RTX 4060Core i5-13400F16GB512GB日本HP
129800円RTX 4060Ryzen 5 450016GB1TBマウス
149800円RTX 4060TiRyzen 7 5700X16GB1TBフロンティア
169800円RTX 4060TiCore i5-13400F16GB500GBドスパラ
169800円RTX 4060TiRyzen 7 5700X
(水冷)
16GB1TBマウス
172980円RTX 4050LPCore i7-13700H16GB1TBドスパラ
179800円RTX 4060LPRyzen 7 7735HS16GB1TBASUS
179800円RTX 4060TiCore i5-13400F
(水冷)
32GB2TBフロンティア
184800円RTX 4070Ryzen 7 5700X32GB1TBフロンティア
214980円RTX 4070Core i5-1350032GB2TBツクモ
232350円RTX 4070Core i5-13400F16GB1TBサイコム
239980円RTX 4070Core i7-13700F
(水冷)
32GB2TBフロンティア
267980円RTX 4070TiCore i7-13700F16GB500GBドスパラ
269800円RTX 4070TiCore i7-13700F32GB512GB+2TBフロンティア
284710円RTX 4070TiCore i5-13400F32GB2TBサイコム
289800円RTX 4070TiRyzen 7 7800X3D32GB1TBフロンティア
309800円RTX 4070TiCore i7-14700KF
(水冷)
32GB1TBフロンティア
323950円RTX 4070TiCore i7-13700K
(水冷)
32GB2TB日本HP
347980円RTX 4070TiCore i7-14700KF
(水冷)
32GB1TBドスパラ
グラボから選ぶ価格から選ぶ
RTX 406010〜15万円
RTX 4060Ti15〜20万円
RTX 407020〜25万円
RTX 4070Ti25〜30万円
RTX 4080
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