RTX 3080とRyzen 7 5700Xのベンチマーク
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CPUにRyzen 7 5700Xと、GPUにRTX 3080を組み合わせた構成で「ゲーム性能」と「クリエイティブ性能」を検証しました。
また、CPUにCore i7を採用した以下の構成とも比較をしています。
- Core i7-13700/F+RTX 3080
- Core i7-12700/F+RTX 3080
CPUの違いによるパフォーマンスの差も分かります。
ゲーミングPCの購入や、自作PCの構成を検討している人は参考にしてください。
※Core i7+RTX 3080の検証環境と結果については関連記事をチェック↓
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RTX 3080のベンチマーク Core i7-13700Fと12700Fで比較
BTOゲーミングPCでよくある以下の構成で、「ゲーム性能」と「クリエイティブ性能」を検証しました。 Core i7-13700/F+RTX 3080 Core i7-12700/F+RTX 3080 CPUの違いによ…
目次
検証用PCのスペック

OS | Windows 11 Home |
CPU | Ryzen 7 5700X |
CPUファン | 空冷式 Scythe 虎徹 MarkⅡ |
GPU | RTX 3080 10GB Palit GamePro |
メモリ | 32GB DDR4-3200 16GB x 2 |
マザーボード | X570チップセット MPG X570 GAMING PLUS |
電源 | 750W 80PLUS GOLD |
一般的なBTOゲーミングPCと同じ構成で、特別すごいパーツは使っていません。
マザーボードのチップセットはB550がおすすめ。(X570はちょっとオーバースペック)
クリエイティブ性能チェックのため、メモリを32GBの大盛りにしています。
電源容量はRTX 3080の場合、750WあればOKです。

テストPCは見た目が違うだけで、BTOパソコンと同じ仕様です!
CPU性能チェック|Ryzen 7 5700X

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主要CPU性能の比較グラフです。(2023年2月時点)
Ryzen 7 5700XはAMD Zen3世代のCPUで、ライバルはIntel 第12世代のCore i7-12700になります。
ここでは各CPUが全体でどのくらいの順位なのかを、ふ〜んと眺めるだけでOKです。
グラフだけで判断すると、Ryzen 7 5700XはライバルのCore i7シリーズよりも性能が低いです。
ベンチマークソフトはCPUの性能を100%使い切るかなり意地悪なテストをします。
実際の運用では、このようなCPUの使い方をすることはありません。
特にゲームや普段使いだと、グラボ(GPU)ばかり働いてCPUは暇していることが多いです。
あくまでCPU性能の順番として参考にしてください。

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赤:優れている
Ryzen 7 5700X | Core i7-12700 | Core i7-13700 | |
---|---|---|---|
発売日 | 2022年4月 | 2022年1月 | 2023年1月 |
世代 | Zen 3 (最新はZen 4) | 第12 | 第13 (最新) |
Pコア数 | 8 | 8 | 8 |
Eコア数 | – | 4 | 8 |
スレッド数 | 16 | 20 | 24 |
定格クロック | 3.4GHz | 2.1GHz | 2.1GHz |
ブーストクロック | 4.6GHz | 4.9GHz | 5.2GHz |
L3キャッシュ | 32MB | 25MB | 30MB |
熱設計電力 | 65W | 65W | 65W |
参考価格 3月調査 | 27,480円 | 41,980円 (12700F) | 51,800円 (13700F) |
Core i7-12700以降は、Pコア(パフォーマンスコア)とEコア(高効率コア)のハイブリッド式になっていて、かなり完成度の高いCPUです。
一方で、RyzenシリーズはPコアだけで構成されているのが弱みですが、実際のところゲームだとPコアが中心に働くので、コア数はあまり問題ではありません。
また、キャッシュメモリ容量がRyzenの方が多く、処理内容によってはCore i7と同等のパフォーマンスで動作するのもメリットです。
Ryzen 7 5700Xはすでに世代の古いCPUですが、価格の安さが最大のポイント。
マザーボードとメモリもコスパの良い製品が使えるので、PCを構成するパーツコストをかなり抑えられます。
デメリットとしてはZen3世代のプラットフォームはモデル末期なため、Zen4世代のCPUに乗り換えるにはマザーボードとメモリを丸っと交換しなくてはいけません。
自作PCのようにパーツを入れ替えながら使う人でなければ非常にコスパが良く、2023年3月時点でもBCNランキングの「今売れてるCPU TOP 10」に入るほど人気のあるCPUです。
BTOパソコンならCore i7-12700モデルより平均して2万円以上も安く、コスパ重視の人におすすめです。
※インテル第12世代/第13世代のプラットフォームは2023年末〜2024年初頭に世代交代すると思われます。Zen3と1年ほどしか差はなく、PCは一度買うと数年は使うものなので、世代交代には必ず遭遇します。末期モデルは安いのがメリット。
また、Zen4はマザーボードの価格の高さがネックで普及が遅く、2023年はZen3も市場に残ると思われます。
グラフィック性能チェック

RTX 3080は新型のRTX 40XXシリーズ登場によって少し存在感が薄れましたが、パワーモリモリでまだまだ現役で使えるGPUです。
下位モデルのRTX 3070より性能の上がり幅が飛び抜けているのがポイント。
フルHD/WQHDは高いフレームレートを安定して出せるので、競技性の高いFPSゲームに最適。
4Kだとグラフィックスに凝ったオープンワールド系アクションゲームを快適に遊べる性能です。
特に「レイトレーシング」と「DLSS」の機能が優秀。リアルな映像でヌルヌル動くゲーム体験ができます。
レイトレーシングについて
光と影の表現力を上げてリアルな描写を可能にする機能です。
対応したゲームなら表現力が格段に上がって美しい映像になりますが、フレームレートがかなり落ちるのがデメリット。
競技性の高いFPSゲームよりもアクションアドベンチャーのような美麗な映像をまったり楽しむゲームに向いた機能です。
DLSSについて
DLSSはAI技術を使ってフレームレートをブーストする機能です。
低解像度の映像を高解像度にアップスケールする仕組みで、理論上は画質を少し犠牲にしますが、ほとんどの人は気にならないと思います。
DLSSはNVIDIAのスーパーコンピューターを利用して、常にAIモデルのチューニングがされています。
最新のAIモデルはGeForce Game Readyドライバーを通して配信され、時間が経つごとにパフォーマンスが向上していく優れた機能です。
レイトレーシングと組み合わせれば、弱点であるフレームレートの減少も抑えることが可能。
DLSSに対応したゲームなら、基本的に有効にすることをおすすめします。
※ゲームによってはデフォルトでDLSS ONになっていることもあり
ゲーム性能チェック
以下のゲームをテストしました。
- 【中量級】Apex Legends
- 【重量級】Forza Horizon 5
- 【重量級】アサシンクリードヴァルハラ
- 【重量級】サイバーパンク2077
- 【重量級】Marvel’s Spider-Man Remastered
人気のe-Sportsタイトルである「レインボーシックス シージ」や「VALORANT」などの軽量級ゲームは、RTX 3080だとフルHDで350〜400fps以上、4Kでも200fpsオーバーなので調査から外しました。
快適にゲームを遊ぶフレームレートの目安は、こちらの表を参考にしてください↓
スクロールできます
ゲームの重さ | タイトル例 | 快適に遊べる目安 |
---|---|---|
軽量級 | レインボーシックス・シージ フォートナイト(DX11) VALORANTなど | 120fps〜 |
中量級 | Apex Legends オーバーウォッチ2など 多くのFPSゲーム | 120fps〜 |
重量級 | フォートナイト(DX12) アサシンクリードシリーズ サイバーパンク 2077など 多くのオープンワールドゲーム | 60fps〜 |
最近のゲームはグラフィックスに凝ったものが多いので、基本的に重量級が快適に動作するPCを選ぶのがおすすめ。
【中量級】Apex Legends

設定
- 【画質】デフォルト(テクスチャ極など、ほぼ最高設定)
射撃場の固定ルートを30秒間走りまくった平均フレームレートを計測

※実際のマッチでは少しフレームレートが落ちます。
中量級ゲームの代表であるApex Legendsは、フルHDだと240fpで遊べる性能です。
その他の中量級ゲームとしては、次のようなものがあります。
- オーバーウォッチ2
- PUBG
- フォートナイト(DX11モード)
∟ DX12モードは重量級
競技性の高いFPSゲームをガッツリやり込みたい人に最適です。
CPU対決!
CPUの違いによるフレームレートの差は、誤差レベルだと思います。
GPU性能に依存したゲームなので、CPU性能の差は出にくいですね。
【重量級】Forza Horizon 5

設定
- 【画質】高/エクストリーム
- 【レイトレーシング】ON
- 【DLSS】ON
ゲーム内のベンチマークモードで計測
レイトレーシングとDLSSに対応したオープンワールドレースゲームです。
画質【エクストリーム】と【高】でチェックしました。
↓タブを切り替えて結果を見てください↓

画質プリセットを「エクストリーム」にすると、レイトレーシングの品質は【高】になります。
めっちゃめちゃ綺麗な映像。
フルHDとWQHDで大きな差が出ないゲームです。
4Kまで快適に遊べます。
CPU対決!
星の数ほどあるゲームの中には、CPUパワーに依存するものもあります。
このようなゲームでは、Core i7の5%ほど低いスコアです。
価格差を考慮すると、十分なパフォーマンスだと思います。
【重量級】サイバーパンク 2077

設定
- 【画質】ウルトラ/RTウルトラ
- 【DLSS】ON
ゲーム内のベンチマークモードで計測
こちらもレイトレーシングとDLSSに対応した有名な激重ゲームです。
レイトレーシングOFFの「ウルトラ画質」と、ONの「RTウルトラ画質」をチェックしました。

4Kまで十分なフレームレートが出ます。
個人的にこのゲームはレイトレーシングの効果がイマイチ分かりにくいと思います。
レイトレーシングを使わなくても十分キレイなので、RTX 3080ならこの設定がおすすめ。
CPU対決!
微妙な差です。
【重量級】アサシンクリード・ヴァルハラ

設定
- 【画質】高/最高
ゲーム内のベンチマークモードで計測
このゲームはレイトレーシングとDLSSに対応していません。
レイトレ/DLSSに対応していない超重いゲームは、大体このくらいで遊べるという目安にしてください。
画質プリセット【最高】と【高】で計測しました。

最高設定ならフルHD/WQHDで快適。4Kだと少しカクつくシーンがあります。
CPU対決!
誤差レベルのパフォーマンス。
最近はRyzenに最適化されたゲームも多いです。
【重量級】Marvel’s Spider-Man Remastered

設定
- 【画質】非常に高い
- 【DLSS】ON
固定ルートを30秒間飛び回った平均フレームレートを計測
このゲームもレイトレーシングとDLSSに対応した重めのタイトルです。
画質「非常に高い」で、レイトレーシングON/OFFを計測しました。

4Kまで快適に遊べるフレームレートです。
フルHDとWQHDに差があまり出ません。
このゲームはレイトレーシングの効果が良くわかるので、なるべくレイトレONで遊ぶことを推奨。
CPU対決!
Core i7-12700とほぼ同じスコアで、最上位のi7-13700とも体感できる差はありません。
Ryzen 7 5700Xでも十分なパフォーマンスです。
クリエイティブ性能チェック
動画編集と写真編集の能力をチェックしました。
Premiere Pro

4Kで撮影した10分間の動画を編集して、フルHDと4Kにエンコードした時の処理時間です。
レンダラーは「GPUアクセラレーション(CUDA)」を使用。
※ソフトウェアレンダリング(CPUエンコード)にすると、Ryzen 7 5700Xで34分、Core i7-13700だと24分50秒もかかります
どのCPUとの組み合わせでも、10分の実時間より早くエンコードができるので快適です。
CPU対決!
Core i7の方が20〜30秒ほど早いです。
クリエイティブな作業をたくさんする人はCore i7がおすすめ。
個人的には微妙な差。
RAW現像

Lightroom Classicを使って有効画素数2010万(SONY RX10M4)のRAWデータ100枚を現像しました。
サクサク処理できます。
書き出し条件はこちらです↓
画像形式 | JPEG |
画質 | 100% |
解像度 | 350px/インチ |
CPU対決!
微妙な差です。
Ryzen 7でも十分すぎるパフォーマンス。
5枚程度の現像なら瞬きしている間に処理が終わります。
Ryzen 7 5700X+RTX 3080の構成まとめ
まとめると、こんな感じです↓
RTX 3080まとめ
- フルHD〜4Kまで問題なし
- 特に4Kは競技性の低いアクションゲームと相性が良い
Ryzen 7 5700Xまとめ
- 価格以上のパフォーマンス
- クリエイティブ系の処理は弱い
GPUのRTX 3080については、競技性の高いFPSゲームをやり込みたい人に最適。
オープンワールド系のアクションゲームなら、高い解像度でも快適に遊べる性能です。
ゲーム時のパフォーマンスは、ほぼライバルのCore i7-12700と同じ。
CPUパワーをある程度必要とするクリエイティブ系の処理がCore i7より弱いですが、価格以上のパフォーマンス。
比較をしてしまうと差がハッキリ出るものの、普通に使っている分には遅いと思うことはありません。
ほとんどの人にとってはRyzen 7 5700Xで十分な性能だと思います。
BTOパソコンだと「Ryzen 7+RTX 3080モデル」の価格がぶっちぎりに安く、たまに大幅値引きのセール品も見かけます。
コスパ優先ならRyzen 7 5700Xモデルがベストでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
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おすすめゲーミングPC 早見表
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価格 | GPU | CPU | メモリ | ストレージ | メーカー |
---|---|---|---|---|---|
109800円 | Ryzen Z1 Extreme | ← | 16GB | 512GB | ASUS |
118085円 | RTX 4060 | Core i5-13400F | 16GB | 512GB | 日本HP |
129800円 | RTX 4060 | Ryzen 5 4500 | 16GB | 1TB | マウス |
149800円 | RTX 4060Ti | Ryzen 7 5700X | 16GB | 1TB | フロンティア |
169800円 | RTX 4060Ti | Core i5-13400F | 16GB | 500GB | ドスパラ |
169800円 | RTX 4060Ti | Ryzen 7 5700X (水冷) | 16GB | 1TB | マウス |
172980円 | RTX 4050LP | Core i7-13700H | 16GB | 1TB | ドスパラ |
179800円 | RTX 4060LP | Ryzen 7 7735HS | 16GB | 1TB | ASUS |
179800円 | RTX 4060Ti | Core i5-13400F (水冷) | 32GB | 2TB | フロンティア |
184800円 | RTX 4070 | Ryzen 7 5700X | 32GB | 1TB | フロンティア |
214980円 | RTX 4070 | Core i5-13500 | 32GB | 2TB | ツクモ |
232350円 | RTX 4070 | Core i5-13400F | 16GB | 1TB | サイコム |
239980円 | RTX 4070 | Core i7-13700F (水冷) | 32GB | 2TB | フロンティア |
264980円 | RTX 4070Ti | Core i7-13700F | 16GB | 500GB | ドスパラ |
269800円 | RTX 4070Ti | Core i7-13700F | 32GB | 512GB+2TB | フロンティア |
284710円 | RTX 4070Ti | Core i5-13400F | 32GB | 2TB | サイコム |
289800円 | RTX 4070Ti | Ryzen 7 7800X3D | 32GB | 1TB | フロンティア |
309800円 | RTX 4070Ti | Core i7-14700KF (水冷) | 32GB | 1TB | フロンティア |
323950円 | RTX 4070Ti | Core i7-13700K (水冷) | 32GB | 2TB | 日本HP |
347980円 | RTX 4070Ti | Core i7-14700KF (水冷) | 32GB | 1TB | ドスパラ |